お食事を提供するにあたって
出産という人生の一大イベントを心ときめくお食事で演出し、より大きな感動を味わっていただきたい。そして、子育てという大切な事業に取り組むお母様達を、食を通じて応援したい。これが、産婦人科の入院患者様にお食事を提供する際の私たちの願いでありゴールです。そのゴールをめざし、次の4つの課題に取り組んでいます:
1. 食の安全
2. 減塩・脱化学調味料
3. 栄養バランスよくシッカリと栄養を摂って頂く
4. おいしさの追求
1. 安全はトップ・プライオリティ
きよせの森総合病院の食事を担当している東急ファシリティーサービスのスタッフは、一流ホテルで培った経験と理論を元に、徹底的な安全管理を行っています。清潔な厨房、清潔な調理、食材の安全管理等の内部の安全管理はもとより、汚染や食品添加物に目を光らせ安全な食材を厳選しています。
2. 減塩・脱化学調味料
忙しい暮らしの中、私たちは外食や出来合いの総菜に頼りがちです。そのため、どうしても塩分や化学調味料を摂りすぎになっていないでしょうか。塩分の摂りすぎは、むくみや過食の原因となり太り過ぎを招きます。また、カルシウムの摂取を阻害することもあり、妊・産婦の健康の大敵です。化学調味料の摂りすぎもまた、過食の原因となりますし、食材本来のおいしさを見失うもとともなり、お子様の成長に大切な役割を果たす食育の妨げとなります。
私たちは、一日の塩分使用量を10g以内とすること、化学調味料を最小限に抑えることの二つルールを徹底して守っています。もしも、当院のお食事を「薄味過ぎる」とお感じになるようでしたら、これまで塩分の摂りすぎだったとご理解ください。当院で出産される皆様が、入院している間に、自然に食生活をリセットして、退院後の健康管理とお子様の食育に取り組んで頂くことを願っています。(塩分の摂りすぎは、過食や肥満に加え、お酒の飲み過ぎの原因ともなり、生活習慣病のリスクを高めます。これを機にご家族全員で減塩に取り組んでみてはいかがでしょうか。)
3. バランス良くシッカリ栄養を摂ってください
妊・産婦にとって、食事を通じて十分な栄養をバランス良く摂ることは極めて大切です。妊娠中は胎児の成長と母体の健康のために、そして、産後は母体の回復と赤ちゃんの健やかな成長のために、しっかりと栄養を摂ってください。母乳は、お母さんの食べたものから作られ、赤ちゃんの健康に大きな影響をもたらすのです。
ところが、近年、妊娠中のダイエットのしすぎで低体重児が増えています。また、間違った情報や迷信のために偏った食生活をして、妊娠・出産の大事な時期に必要な栄養をとれないでいる方もお見かけします。
授乳中は“和食が良くて洋食は駄目”という和食信仰も、そうした間違った情報によるものです。和食は、私たち日本人が世界に誇ることができる健康的で優れた料理であることに間違いはありません。しかし、無条件に和食が良いとするのは迷信にとらわれた考えです。和食偏重の食事には二つの大きな欠点があります。カルシウム不足と塩分の摂りすぎです。妊娠・授乳期は、普段より多くのカルシウム摂取の必要があります。母乳を通じて赤ちゃんにカルシウムが与えられますので、カルシウム不足は赤ちゃんの健やかな成長を妨げます。また、塩分の摂りすぎは、上記2の項でご説明したように多くの害があります。
私たちは、和食の欠点を十分に認識した上で、様々な工夫を施し、和食メニューを積極的に提供しています。そして、フレンチ、イタリアン、中華等、世界の優れた調理法を取り入れ、バラエティある食事を提供し、栄養バランスの維持に努めています。
4. おいしくなければ意味がない
「良薬は口に苦し」ということわざがありますが、こと食事に関しては当てはまりません。おいしく食べることは、栄養のバランスの良い摂取と肥満の防止につながると言われています。私たちは、「おいしい」ということをとても大切に考えています。
おいしいお料理であるための第一の条件は良い食材です。安全であるだけでなく質の良い食材を厳選しています。たとえば、お米は新潟県の契約農家から取り寄せ、当院の精米機で精米しています。また、牛肉は安全でヘルシーでおいしいオーストラリア産の上質のお肉を取り寄せています。
真の「おいしい」を作り出す二番目の条件は、減塩・脱化学調味料です。減塩・脱化学調味料は、いわゆる「早食い」を防ぎ、よく噛み、素材のデリケートな味を味わって頂くために役立ちます。
三番目にあげられるのがシェフの腕です。私たちが提供している御料理は、ホテルで修行した腕のよいシェフ達が調理を担当しています。和食、フレンチ、中華と、それぞれが専門分野を持ちながら、同時にオールマイティの幅広い調理技術を発揮して、三度のお食事からおやつまで、バラエティあふれるメニューを提供しています。出産のお祝い膳は、そんなシェフ達が、知恵をしぼり献立を考え、技術の粋をつくし、心をこめてご用意する自慢の一品です。心ゆくまでご堪能ください。
「おいしい」の四番目に来るのが雰囲気です。スタッフの接遇態度でお食事の雰囲気は大きく変わります。せっかくのお料理もぞんざいな配膳をされたら台無しになってしまいます。私たちの配膳スタッフは、東急ホテルの接客教育係の指導の下で研修を重ね、患者様が気分良くお食事を召し上がることができるよう心を込めたサービスの提供に努めています。
お食事をする環境も大切です。私たちの病院の建物は今年で築37年。決してモダンで豪華な建物ではありません。それでも、一流の内装デザイナーの手で、アジアのリゾートをイメージした内装に改修し、心地よい雰囲気作りにつとめています。また、清掃には特に力を入れ、清潔な病棟の維持を心がけています。
皆様に、楽しく、気分良くお食事を召し上がって頂くための工夫も重ねています。ご家族が一緒にお食事を召し上がることができるプランや、特別室プルメリア・ルームでのお祝い膳プラン等のお食事プランをご用意しています。
病院の食事というと、おいしくない食事の代名詞のように言われることがよくあります。実際、決まり通りの栄養計算だけして、味見もしないで食事を出している病院も多くあります。私たちはそんな病院食のイメージを根本から変えるような、「どんなレストランにも負けないおいしい病院食」を目指しています。